リンガルアプライアンス
2013年晩秋の北海道矯正歯科学会講演会は「裏側からの矯正(リンガルアプライアンス)」についてでした。
東京からお呼びした講師の先生から、どんな最新情報が提供されるのかワクワクして聴いておりました。
しかし、一日受講して分かったことは「裏からでもここまで出来ますよ」というもので、 これでは表からの矯正に対する言い訳に聞こえてしまいました。
より美しくをテーマに考えていただけに少し残念な一日でした。
2013年晩秋の北海道矯正歯科学会講演会は「裏側からの矯正(リンガルアプライアンス)」についてでした。
東京からお呼びした講師の先生から、どんな最新情報が提供されるのかワクワクして聴いておりました。
しかし、一日受講して分かったことは「裏からでもここまで出来ますよ」というもので、 これでは表からの矯正に対する言い訳に聞こえてしまいました。
より美しくをテーマに考えていただけに少し残念な一日でした。
東京から患者様が転勤されて来ました。
その患者様は一般歯科で矯正治療を開始し、治療の継続を希望して当院を来院されたのです。
お口の中を拝見して驚きました。
一般歯科からの治療経過の説明書に「あと2~3ヶ月で矯正終了」と記載してあったからです。
きちんと治療しようとすれば、とてもその期間内に終了出来るような状態ではありませんでした。
患者様に「2~3ヶ月で終了することは可能ですが、ほぼ現状のまま終了すると言うことです」 とお伝えすると、患者様はひどく驚かれました。
もっとずっと良くなると心待ちにしていたからです。
そこで、「ご希望のように治すことは出来ますが、治療期間はかなりかかります。料金もそれなりに必要です」とお話ししましたところ、大変に悩んだ末に、きちんと治す方を選択をされました。
患者様が落胆されたお気持ちは、痛いほどよく分かります。それまでの2年間は何だったのか、お支払いになった高額*な料金は何だったのか?
*東京と言うこともあったのでしょう。当院からすると驚くほど高額の料金をお支払いになっていました。
このホームページでは、矯正治療には「知識と技術と経験」が必要であると繰り返し述べています。
その理由は、この様な事例を生み出したくないからなのです。
矯正治療は、いつ、何を、どのように行なうかは個々のケースで千差万別、一様ではありません。
即ち術者の技量によって結果が大きく左右されます。どこで買っても同じ商品が手に入る工業製品とは違います。
現在は一般歯科を含め多くの診療室で矯正治療を受けることが出来ます。
しかし、安易に矯正医を選択することは、結果的に患者さんの不利益に繋がる可能性のあることをご承知おき下さい。
・ホンマ矯正歯科は料金の総額を提示する方法ですので、診断の時にお話しする金額はどうしても大きな額になってしまいます。
しかしそれは、患者様に結局いくら用意すればよいのか分からない不明朗さを避けるためなのです。
・以前矯正歯科治療を他院で受けた患者様から、結局トータルするとホンマ矯正歯科の料金システムよりずっと高く付いた、との話を聞いたことがあります。
その患者さんは、説明を受けた矯正治療費以外に、受診のたびに毎回治療費や毎回処置料を請求され、あとで合算してみると結局は高いものになっていたとのことでした。
・ホンマ矯正歯科を開業する前に恩師から頂いたアドバイスに、総額を提示するトータルフィーシステムは、 矯正歯科医側からは合理的かつ一刻も早く矯正治療を終了しなければならない宿命を負う以上、結局は患者さんの信頼を勝ち得られる、と言うものがありました。
つまり、毎回治療費を頂くシステムですと、矯正歯科医側が矯正歯科治療を早く終わらせなくとも良いと言う気持ちになりがちだ、と言うのです。
・ホンマ矯正歯科は公的医療機関と同程度の矯正料金設定をしております。
従って、料金だけを基準に矯正歯科を選択するのであれば、もっと安価な診療所があるかも知れません。
しかし、ホンマ矯正歯科はむしろ、技術と知識、そして経験を評価して頂きたいと思っています。
なぜなら、矯正治療は患者様の体に直接関わる医療であり、工業製品の様に、「どこで買っても同じ品物」ではないのですから。
・術者の技量による差が結果に大きく出てくる矯正治療。料金だけを目安に術者を選択するのは、得策とは思えません。
歯並びについて少し説明をさせて頂きます。
札幌で矯正歯科治療によって歯並びを治している診療室は数え切れないくらい多く存在します。
矯正治療を手軽に受けられるようになったわけですが、矯正治療に永く携わってくると、困った事例に遭遇することがあります。
札幌の矯正医の会合などで話しをしていると、「後始末」という言葉を聞くことがあります。
嫌な響きです。
これは技術が不十分な診療室で矯正歯科治療を開始したものの、結局治りきらず、矯正医に紹介されて来るケースを言います。
例えば抜歯すべき症例を抜歯していないことから、矯正歯科治療が上手く進んでいない症例を指します。
歯を抜かずに不正咬合を治す手段として、歯並びを横や前に広げてしまう手法を使います。
ただ顎骨の上に歯並びがある訳ですから、 おのずと移動可能な範囲には限界があります。
ところがその事を充分に把握しないまま、スクリューなどで歯並びを無闇に広げてしまった場合など、言葉を失う惨状になってしまいます。
患者様に良く聞いてみますと、歯並びの幅をどの位広げるのかを知らされないまま治療をはじめています。
矯正医が大学の医局などで矯正歯科治療を最初に学ぶときに、「歯並びの幅を無闇に変えるな」と教わります。
それは、歯並びの幅を変えてしまうと治療後の安定性を悪くし、後戻りが頻発するからです。
ですから矯正の医局などで技術を学んだ先生達は、 不用意に歯並びの幅を変えることをしません。
もし変えるとするならば、成長などを含め正当かつ合理的な理由があるときで、 そのような場合は、矯正治療後に後戻りを起こすようなこともありません。
確かに札幌で矯正歯科治療を受けることが出来る場所は増えました。
しかし、どうせ治療するなら、矯正歯科医のもとで治療したほうが安心できるのではないでしょうか。
札幌の矯正医同士で歯並びについて話すとき良く話題になるのが、抜歯スペースです。
抜歯スペースを大切にすることは歯並びを治す上で基本中の基本なのですが、矯正医同士でも議論を呼ぶことがあるほど、 抜歯スペースの有効利用は技術と経験が必要で奥の深いものなのです。
ところが、技術不足により「抜歯スペースの有効利用」を十分に果たせない矯正症例が、 結局のところ矯正医のところに紹介されてくることがあるのです。
残念なことに札幌でもこの様なことがしばしあり、中には矯正医同士が知恵を出し合っても解決出来ないほど深刻なケースもあります。
矯正医は歯を抜く場合に「抜いた後どうするのか」具体的計画を立ててから抜歯します。
ところがキチンと計画を立てないままに、抜歯をして矯正治療をしたケースの中には、後で矯正医が立て直そうにも、 立て直しようがないほど重篤になってしまう場合があるのです。
歯を抜いて歯並びを治す以上は、豊富な知識と経験のある矯正医に治療を任せた方が結果的に安心であると言えましょう。
上下の顎骨の位置に大きなずれがあるなど、そもそも骨格に問題がある患者様は、通常の矯正治療だけでは治りきらないことがあります。
そのような患者様の場合、外科矯正は治療効果の大きな大変優れた方法です。
また通常の矯正歯科治療と違い、健康保健の適用が受けられますから、患者様の負担も軽減されます。
しかし、一方で幾つかの弱点もあります。
弱点の中で、患者様が最も気になさるのは入院期間が長いと言う点です。
最近は治療技術の進歩に伴い期間の短縮がめざましいのですが、 それでも1~2週間の入院期間が必要です。
また、場合によっては顎の先にしびれが残ることがあります。
時間が経てば徐々に解消しますが、半年ほど痺れが残った例もあります。
また、全身麻酔を行いますから、リスクも心配されます。
矯正歯科治療期間は約2年必要になります。
つまり、外科矯正をしたからと言って、矯正歯科治療期間が短縮されるという訳ではありません。